Production Notes

1408人の中から
オーディションで選び抜かれた新星
シン・シアと

個性豊かな共演者たちが魅せる
アンサンブル

『THE WITCH/魔女』に続く〈魔女ユニバース〉の第2弾『THE WITCH/魔女 -増殖-』で最も重要なポイントは、主人公の少女を演じるにふさわしい新たな女優を発掘することだった。3度におよぶオーディションを勝ち抜き、1408人の中から選ばれた新星シン・シアは、秘密研究所から初めて外界に出た少女をミステリアスに体現し、製作陣の期待に応えた。どんな怪物に豹変するかわからないキャラクターの複合的な魅力をカメラに収めたキム・ヨンホ撮影監督は、「神秘的な雰囲気と、内に秘めた何かを感じさせる眼差しで、観るものを物語に引き込む力のある女優だ」とシン・シアを絶賛する。

シン・シアを取り巻く共演陣にも、多様な個性を持つ俳優たちが配された。主演を務めた大ヒット・ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」が記憶に新しいパク・ウンビンは、牧場主のギョンヒに扮してシン・シアと完璧に息の合った演技を披露する。「リーガル・ハイ」『キングメーカー 大統領を作った男』のソ・ウンスは、少女を追うスゴ腕の工作員チョ・ヒョン役でこれまでとはまったく異なるハードで荒々しいキャラクターに挑戦した。

さらに『26年』「太陽の末裔 Love Under The Sun」のチン・グが犯罪組織のボスであるヨンドゥ、『ベイビー・ブローカー』『ユンヒへ』のソン・ユビンがギョンヒの弟デギル、これが5年ぶりのスクリーン復帰作となるイ・ジョンソクが、消えた少女の行方を追跡するアークの責任者チャンに扮し、『嘆きのピエタ』などのベテラン女優チョ・ミンスが前作に続いて魔女プロジェクトの創始者であるペク総括を演じる。そして、前作で初代の魔女ジャユンを演じて“怪物級の新人”と称され、その後も「梨泰院クラス」「その年、私たちは」などのヒット作に出演し活躍中のキム・ダミも再登場。多彩なキャストが新鮮なアンサンブルで観る者を魅了する。

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スケール、
そして強度とスピードを追求し、

圧倒的な興奮を呼び起こす
アクション・スタイル

本作には前作よりも多くのキャラクターが登場する。それに加え、撮影すべき空間が何倍にも拡張されたため、アクション・シーンには“より高く、より速く、はるかに強く”という基準が設けられた。キム・ヨンホ撮影監督はこの点について「今作の世界観では、前作に比べてカメラワークとアクションがその範囲を100倍以上に広げ、スピードも格段に増した」と語る。

前作に続いてアクション監督を務めたキム・ジョンミンの悩みも以前の数倍に膨れ上がった。スケールの拡大とアクションのパワーアップを目指しながらも、既存の韓国映画とは異なる本シリーズ特有のスタイルを維持しなくてはならなかったのだ。「華やかではない動きを格好よく見せる必要があったし、簡潔で単純なアクションにもスタイルリッシュさが求められた」。そう語るキムは、自らに課せられたミッションをやり遂げるためにアイデアをひねり出し、前作ではあまり使わなかったワイヤー・アクションを積極的に導入した。さらにワイヤー・アクションで表現できないシーンでは、CGチームとの共同作業を行った。

また、「新たな空間で繰り広げられる新たなアクション」を望んだパク・フンジョン監督からのリクエストに応えるため、キムは「切なる思いの中からわき上がってくる躍動感、強さ、スタイリッシュな部分を強調し、何より各キャラクターのスタイルに合ったアクションに集中した」と言う。さまざまなキャラクターが新たに登場する本作で、それぞれの能力と性格、セリフなどを考慮し、キャラクター固有のアクション・スタイルを細かくデザインしていった。

それを受けて俳優たちは、各自のアクション・スタイルを完璧に身に着けるために、姿勢や歩き方、基本的なトレーニングはもちろん、ナイフや銃といった武器のイミテーションを常に持ち、就寝時にも枕元に置くなどキャラクターになりきる努力をしたという。

俳優たちは済州島のオープンセットに設置された巨大なグリーンバックの前で、ワイヤーに繋がれたままアクション・シーンを演じた。広大な空間を猛烈なスピードで飛び回る人物の動きを作り出すため、一部には3Dキャラクターが導入された。

本作のハイライトは、主要キャラクターが一堂に会する終盤のアクション・シークエンスだ。このクライマックスでは主人公の少女を始め、工作員のチョ・ヒョン、上海出身の“土偶”、ヨンドゥ一味が、それぞれの個性と能力を発揮しながら、鬱蒼とした森と広大な牧場で激闘を繰り広げていく。激しい応酬が繰り広げられる戦いとスピードにドラマチックな演出が加わり、観る者に興奮と快感をもたらすシークエンスが完成した。

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ユニバースの世界観を彩る
済州島のロケーションと

60年ぶりの大雪に見舞われた
現地での撮影

本作のすべての撮影は、前作のエンディングの背景になっていた済州島で行われた。大半の場面がロケーションとオープンセットで撮影され、雄大な自然から古めかしい教会、大学、ゴルフ場、展示場などの日常生活でよく見られる済州島の空間が、スタッフの手によって〈魔女ユニバース〉の世界観の一部として映画に溶け込んだ。

済州石文化公園は少女がそれまでの人生を過ごしてきたモダンでミニマルな秘密研究所アークの撮影場所となり、ソプチコジに位置するグラスハウスは独特の構造を持つペク総括の自宅に変身した。一方、オープンセットとして建てられたギョンヒの農場は、それらとは対照的に平凡でありながら温かで生活感のある空間となった。プロダクション・デザインを担当したチョ・ファソン美術監督は、ギョンヒの農場について「少女が初めて触れる温かな空間であると同時に、外敵からの攻撃で破壊され、少女が暴走するという二重的な意味を持った空間」と語り、善と悪のふたつの意味がこめられていることを説明した。

豊かな自然が広がる済州島のヴィジュアルを映像に取り込む作業は苦労が絶えなかった。済州島特有の変わりやすい天候に対応するため、スタッフには万全の準備が求められた。突然の強風や大雨は日常茶飯事だったし、場所によっては気温が急激に氷点下にまで冷え込むこともあった。スタッフは常に何着もの服とブランケットはもちろんのこと、カイロや暖房器具なども準備して撮影に臨んだ。特に美しい雪庭の風景は、済州島に60年ぶりの大雪が降るという予期せぬ状況下で誕生したシーンとなった。スタッフの努力と薄着に裸足で雪の上を歩いたシン・シアの情熱によって、このシーンの撮影が実現した。

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